突撃!!イムス探険隊

再生医療「APS療法」
東戸塚記念病院

変形性膝関節症の痛みを緩和する最新の再生医療「APS療法」

変形性膝関節症が対象の再生医療

関節の痛みと腫れに悩む変形性膝関節症の有病者は、40歳以上で2530万人と推測(※1)されています。東戸塚記念病院では、2019年11月から、再生医療法(※2)の承認を得た血液由来のバイオセラピー「APS療法」を開始しました。
変形性膝関節症は加齢、肥満、筋力低下などのため関節内でクッション役を果たす軟骨がすり減って起こるもの。
山崎謙院長は「軟骨などの微細な破片が関節内部の滑膜を刺激すると、免疫系の働きで炎症性物質や発痛物質が関節液中に過剰放出され、辛い症状が表れます。
軟骨の新陳代謝は緩やかなので、変形が進むと元には戻りません。最後には骨同士が直接ぶつかって破壊され、人工膝関節に入れ換える手術が必要になるケースもあります」と語ります。
一般的な治療として、消炎鎮痛薬の服用や、関節を滑らかにするヒアルロン酸注射、筋肉を鍛えて体重の負荷を軽減する運動療法などがありますが、効果は今ひとつ。痛みが続くと外出が辛くなるため、ますます脚の筋肉が衰えて症状が加速するという悪循環に。
「また、痛みをムリに我慢すると、痛みの信号を脳に伝える背骨の中の脊髄神経が痛みを記憶してしまい、痛みを過剰に感じる『中枢感作』を起こすことがあります。安静時にも慢性的な疼痛に苦しむ原因の一つです」

※1 吉村典子 変形性関節症の大規模臨床統合データベースの構築と、 これを用いた観察疫学・ゲノム疫学研究。日本整形外科学会誌 82(2)2008
※2 再生医療等の安全性確保等に関する法律の第2種再生医療として届け出、施設認定済み

本人の血液から抽出した「APS」を注射

そこで膝関節の痛みを緩和し、軟骨の保護を目的とする次世代型治療としてスタートしたのが「APS(自己タンパク溶解液)療法」です。
血液成分の一つ『血小板』には、傷を修復する各種の『成長因子』や、痛みと炎症を抑えるタンパク質『抗炎症性物質』が含まれています。患者さまの血液を採取後、この有効成分=APSを抽出・凝縮し、膝関節内に注入。ヒトの体に備わる自然治癒力を活用した新発想の再生医療です。
作業を担うのは訓練を積んだ木下理奈子副主任を始めとする検査科チーム。血液採取からAPS注入までの所要時間は約1時間、入院不要で当日帰宅できます(入浴は控え安静に)。
個人差はありますが、注入後1週間ほどで効果を実感する方もいます。当院では治療を受けた方の約8割が、痛みが緩和したと答えており、概ね2年は持続。関節変形の進行を抑える作用も期待できます。
本人の血液を使用するので、アレルギーの心配がないのも利点です。1〜2年、間をおけば繰り返し受けることも可能。治療翌日から元の生活ができ、定期検診は1週間、1ヵ月、3ヵ月、1年後。両膝同時の施術も可能です。
適応は、変形性膝関節症の病期0〜4のうち軟骨のすり減りが目立ち始めた2と3の方。関節の隙間がなくなり、骨同士がぶつかる4まで進行した方には不向きです。
また、天然成分を活用した治療なので、残念ながらほとんど効果の表れない方がいるのも現状。まだ全国的に臨床例が少ないため、保険適用外で自費診療〈1関節あたり33万円(税込)〉。説明を十分聞き、納得の上でお受けください。

Staff Voice

生活の質を守り、心身共に若返る治療に

院長山崎 謙医師
膝関節の痛みが続くと外出が億劫になり、趣味や人付き合いも消極的になりがち。新しい疼痛緩和治療の選択肢を提供でき、医師として心強く思っています。手軽で安全な療法ということで、手術をためらう方からの相談が増えてきました。将来に期待が持てます。

痛みが消え喜ぶ患者さまの声が届きます

検査科 副主任木下 理奈子臨床検査技師
本院でも再生医療がスタート。臨床検査技師として新しい技術の研鑽は欠かせません。この治療で患者さまと直接言葉を交わす立場にありませんが、カルテに記載された喜びの声を読むと本当に嬉しい。血液1本1本を、大事に扱ってまいります。

探険隊長から...

自分の血液で“膝の痛み”から解放されるなんてビックリ! 医療の進化に目を見張らせます。効果がある上、副作用の心配がほとんどない点も画期的。母にすすめたくなりました。

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変形性膝関節症の予防と治療、新型コロナウイルス感染症などについて講師を派遣して出張講座を行っています。お問い合わせは下記まで。

東戸塚記念病院