オシゴトいろいろ

看護教員
患者さまに寄り添う心の看護教育

看護教員の資格

護師養成所の専任教員となることのできる者は、次のいずれにも該当する者であること。
ただし保健師、助産師又は看護師として指定規則別表三の専門分野の教育内容のうちの一つの業務に三年以上従事した者で、大学において教育に関する科目を履修して卒業した者は、これに関わらず専任教員となることができること。
ア保健師、助産師又は看護師として五年以上業務に従事した者
イ専任教員として必要な研修を修了した者又は看護師の教育に関し、これと同等以上の学識経験を有すると認められる者
◎厚生労働省「看護師学校養成所における看護教員に関する規定 」より

現代に求められる看護師像

国家試験を前に、猛勉強をする学生たちに貴重なアドバイス

「看護師」は女の子のなりたい職業No.1。うれしいですね。昔は、「一番偉いのはお医者サマで、看護師はアシスタント。患者はおとなしく医者の命令に従う」というように、医療の世界は、長く“昭和のヒエラルキー”を引きずっていました。
現在は本当に様変わりし、主役はあくまで患者さま。医師、看護師、薬剤師、理学療法士などは同等の立場でチームを組み、患者さまの治療と社会復帰を支援します。特に身近な存在である看護師は、患者さまとご家族の生活スタイルや価値観を思いやる“伴走者”でなければなりません。
私は看護師の資格取得後、長く病院の臨床現場で働き、後半は新人教育にも携わりました。すると新人看護師が患者さまとのコミュニケーションでつまずく例が目立って...。今の若い人は、生活体験が乏しく、近所づきあいや親戚づきあいが希薄な人も多いので、患者さまの求めることが理解できず、意欲はあるのに空回りするんですね。
入職前の看護師教育に問題点がありそうだと考え、3年前、IMS(イムス)グループの看護教員の求人に応募したのです。

患者さまの役に立つ実践教育

実技演習で使う「シナリオカード」。教員が記載された症状を演じ、学生がその状態を考える

私は成人看護学を担当しています。解剖学や薬学、臨床などの膨大な知識は、単に覚え込むだけでなく、実践で使えるものにしていかなければなりません。
たとえば看護師国家試験で「災害時に、避難所の駐車場で3日間自家用車内に寝泊まりした男性が、胸の痛みと呼吸困難を訴えた。疑われる疾患は?」という設問がありました。正解はエコノミークラス症候群。教科書には ①静脈のうっ滞、②血液凝固能の亢進、③血行内皮障害の3つの原因で血管内にできた血栓(血の塊)が、肺動脈に詰まる致死的な疾患と説明があるだけです。学生は発症者の状況が、3つの原因を惹起しうると“読み解く力”を求められています。
従って授業では、生活者の視点と想像力を養うことが肝要。常に問題意識を持ち、自分で考えること。学生同士で課題を共有し、共に解決を図ること。世に言うアクティブラーニングが基本です。

コロナ禍の中、オープンキャンパスもウェブで提供。入試担当の宮本先生が高校生向けにプロデュース

授業ではロールプレイも取り入れています。題材は患者さまが事故で脊髄に損傷を負った後、絶望と怒りの葛藤から、受容へ向かうプロセス。マンガから抜き出したセリフが、どのプロセスに該当するのかを考え演技するのですが、みんな迫真の演技。患者さまに寄り添う心を学ぶことができます。
幸い専門学校は大学より教師と学生の距離が近く、信頼関係が結べ、きめ細かな教育を提供することが可能です。本年度は入試委員として、高校生を対象に当校の魅力を、自信を持ってPRしています。
私が看護師を目指した原点は小学6年の時。仕事を持つ母に代わり、妹弟の世話をするのが役目だったある日、妹がブロック塀から落ちて足に開放骨折を負いました。傷口からのぞく骨を前に、手をこまねくしかなかったやるせなさ。母の帰宅を待って駆け込んだ救急病院で見た、医師と看護師の優しさと頼もしさ。「医療の世界で、私も誰かの役に立ちたい!」
今、看護専門学校で学生たちと再び夢を共有できる日々を、私は心から感謝しています。

板橋中央看護専門学校