オシゴトいろいろ

介護技能実習生の学びと成長をサポート

実習生受け入れに不可欠な資格

外国人技能実習制度というと、農業や漁業、製造業などの分野を思い起こす方が多いかと思いますが、今は介護職にもその範囲が広がっています。当院でも2020年9月から実習生を受け入れ始めました。
介護職の技能実習制度について簡単に説明すると、技能実習生は、「第1号技能実習」「第2号技能実習」を経て、在留資格「特定技能『介護』」に変更することができます。現在、当院には第1号技能実習と特定技能が各1名、合計2名の外国人介護職員が在籍し、特定技能の職員は来年介護福祉士国家試験を受ける予定です。
技能実習生を受け入れる病院や介護施設では、技能実習の運営や管理を行う「技能実習責任者」を置くことが法律で定められています。私が技能実習責任者になったのは昨年秋のこと。当院ではもともと看護部長があたっていましたが、異動することになったため引き継ぎました。
実習生たちは、みな真面目で意欲的です。食事・入浴・排泄など基本的な介護技術は入職時研修を行っており、仕事も丁寧です。最初からすべて日本人と同じというわけではありませんが、教えればきちんとやってくれます。外国人に介護してもらうことに抵抗を感じる患者さまもはじめはいましたが、今ではみなさんに受け入れられ、逆に「〇〇さんにしてほしい」と指名されることも多くなりました。


介護福祉士として学会の発表にも積極的に取り組む

働きやすい環境づくりが患者さまの利益につながる

一緒に働く看護師など日本人スタッフに対しては事前に勉強会を行い、技能実習や特定技能について理解を深めてもらっています。
当院はミャンマーから実習生を受け入れているので、ミャンマーという国の特徴や文化、現在国内が不安定な状況にあることや、コミュニケーションのきっかけとなるように彼らが好きなアニメなども伝えます。
実習生は仕事をしながら、第1号技能実習から第2号技能実習、さらに特定技能とステップアップするための技能実習評価試験や、日本能力試験(JLPT)の勉強も必要です。
そのサポートも重要な業務の1つ。技能実習評価試験は技術と筆記があり、技術試験の準備では患者さまへの声のかけ方などもきめ細かく指導します。合格の知らせを受けると私もとてもうれしいです。
技能実習責任者の最も大切な仕事は、実習生が働きやすい環境をつくることだと思っています。彼らが能力を発揮し、成長していけば患者さまによりよい介護が提供できます。病棟スタッフも助かり、看護師は本来の仕事に集中できるため、患者さまの利益はさらにアップします。
受け入れを始めた頃は手探りでしたが、総務課の協力もあって環境や教育体制は整いつつあります。今後はマニュアルを作成し、担当者が変わっても同じ支援を提供できるようにしますが、IMSグループ内でそれを共有しようという動きも出ています。実習生が介護福祉士になり、新しく入職する実習生を指導する体制をつくれたらベストだと思います。


第30回日本慢性期医療学会に参加

技能実習責任者とは?

技能実習を管理・監督する責任者。所定の養成講習を受け「理解度テスト」に合格することで資格を取得できる。実習生の受け入れ準備、必要書類の管理、教育、病棟など各部署との調整、実習期間のスケジュール管理など多岐にわたる業務を行う。3年ごとの講習受講が求められている。

イムス横浜東戸塚総合リハビリテーション病院