オシゴトいろいろ

ご入居者さまに 「とことん寄り添う」ことが使命

1時間でも2時間でもご入居者さまの話を傾聴する

 コンシェルジュの仕事は、朝、全部屋をまわり、ご入居者さまに挨拶することから始まります。お一人おひとりの様子を観察し、お話されたがっているなと感じた方の部屋をあとで訪問してじっくりお話をうかがいます。新しく入居された方には1週間ほどしっかりと寄り添い、他のご入居者さまと親しくなれるよう橋渡しをします。
 介護福祉士や看護師と異なるのは、1人の方のお話を1時間でも2時間でも聴けることです。業務に追われご入居者さまのお話をゆっくり聴けないという職員の声は以前からあり、施設長は「コンシェルジュ」職の構想を温めていたようです。もともと介護福祉士だった私が抜擢されたのは、腰痛が悪化して仕事の継続が難しくなったため。退職の希望を出したとき、コンシェルジュとしてこれまでの経験を活かして欲しいといわれました。
 私は友人と話していても聞き役にまわることが多く、長時間聴き続けることが苦ではありません。むしろ、とりとめのないようなお話の中に、実はこんなことがしたいという要望の種を見つけたり、趣味など好きなことを生き生きと話される姿を見たり、傾聴に喜びを感じることが多々あります。

時間に縛られず話ができるコンシェルジュの存在はご入居者さまの生活の質向上につながっている

要望の迅速な実現が信頼につながる

 ご入居者さまの要望で実現した外出支援で、盛り上がったのは焼肉ツアーです。ご自分で肉を焼いて食べるという機会はなかなかないので、皆さまとても喜ばれます。普段よりもたくさん召し上がる方もいて、大丈夫かなとちょっと心配になったほどです。焼肉ツアーはすでに2回実施。アフタヌーンティーツアーや寿司ツアーも好評でした。ご家族さまも参加され、一緒に楽しまれることもあります。
 外食をするときは車イスが入れるか、トイレの状況など事前に確認して店を決め、気持ちよく食事して帰って来られるようにしています。
 ご入居者さまが抱いている要望は、ささやかなものも多いです。例えば、屋上テラスに花が咲いている時期に行きたい、外を散歩したい、美味しいものを食べたいなどですが、かなうと皆さま本当に嬉しそうです。
 心がけているのは、要望を受けたらなるべく早く実行すること。「言っても何も変わらない」と思われてしまってはいけません。「言えばかなえてくれる」と実感していただくことで、次の要望が出てきやすくなり、「ご入居者さま・ご家族さまが求める豊かな生活の実現」という、コンシェルジュ配置の目的達成に近づきます。すべての要望をかなえられるわけではありませんが、一部でも実現できるように知恵を絞ります。また、遠慮深い方やシャイな方もいらっしゃいますが、日々の挨拶から信頼関係を深めていくことで、思いを話してくださるようになることがあります。
 コンシェルジュだけではかなえられない要望は、事務部、介護部、看護部などと連携し、施設が一つになって実行します。
 アイムス赤羽のコンシェルジュのコンセプトは「介護をしない新しい専門職」です。これまでにないポジションの仕事ですが、「いてくれてよかった」と言われることもあり、可能性を感じます。将来的には温泉旅行やディスニーランドツアーなども実現したいですね。

私が企画した塗り絵コンテスト。
女子会や茶話会、ボランティアによる将棋レクチャーなども開催してきた

コンシェルジュ

コンシェルジュとは、もともとフランス語で「集合住宅(アパルトマン)の管理人」という意味。
そこから解釈が広がり、ホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」の職務を担う人の職業名として定着した。
2024年1月、アイムス赤羽にIMSグループ初のコンシェルジュを配置(資格ではなくあくまでもIMSグループ内での呼称)。
具体的な業務は ①ご入居者さまの生活相談、要望の聞き取り ②ご家族さまの要望の聞き取り ③外出支援業務・外出の企画や付き添い(買い物、散歩等を含む)、その他に ④行事やアクティビティの企画と実施、夢をかなえるプレゼント企画の協力 ⑤フロント業務 ⑥行事担当、委員会活動 など。

アイムス赤羽