病院・介護施設向けメニューの開発と食事の提供を行うアイフーズが、出張料理サービスを開始したのは2022年。介護老人保健施設のお花茶屋ロイヤルケアセンターで、フルーツガスパチョなど夏のおやつ3種を提供したのを手始めに、これまでに12回ほど実施しました。
板橋ロイヤルケアセンターではパンケーキを利用者さまの目の前で焼いて、選べる2種のソースで仕上げ、新越谷病院ではマグロの解体ショーを行って刺身や寿司を提供しました。パンケーキの甘く香ばしい匂いや、すし飯の匂い、シャリ切りの音など、五感で食を楽しんでいただけるよう様々なパフォーマンスに挑戦しています。
利用者さま一人ひとりにオムライスを作ったときは、私たちの姿に「ホテルに勤める息子と重なった」と言ってくださった方もいました。バターの香りあふれるオムライスはご自身でソースをかけ、プラスチック製の安全なナイフで切るとふわとろの卵があふれるなど、口へ運ぶまでの行為を楽しめる工夫も。こうすると作業療法にもなるんですよね。
コロナ禍で外出ができなかった頃は、施設でこんなに美味しいものが食べられるなんて……と涙を流した方もいます。また、お粥しか食べなかった方が天津飯をたいらげ、看護師が驚くというできごともありました。
まぐろの解体ショーでは12kg超えのマグロを用意し、自前の包丁でさばいた