病院には多種多様な医療機器があります。技術の進歩により高性能な医療機器が増え、今の医療にはそれらが不可欠です。医療機器のスペシャリストである臨床工学技士は、現在、7つの専門領域と3つの認定領域があり、専門領域の1つが呼吸治療関連専門臨床工学技士です。 呼吸治療関連専門臨床工学技士は、人工呼吸器や酸素療法に用いる装置、コロナ禍で多くの人に知られるようになったECMO(エクモ)などを専門的に扱います。
当院での役割は主に2つです。1つは、人工呼吸器を使用中の患者さまのベッドサイドで呼吸状態を確認しながら機器のセッティングや動作確認を行い、肺の中で酸素と二酸化炭素が常に適切に交換されるようにすること。人工呼吸器を使用している入院患者さまは常に10人くらい。その方たちの呼吸と関連機器の管理を行っています。
もう1つの役割は「医療機器管理」です。人工呼吸器は生命維持管理装置という区分けがされていて、厳密な機器管理が必要な医療機器になります。味覚を除いた五感を駆使して医療機器の安全を担保します。病院では「あたりまえ」に医療機器が動作していますが、その裏では、臨床工学技士が医療機器の管理を行うことで「あたりまえ」を維持しています。
病棟スタッフが人工呼吸器を適切に扱えるようアドバイスすることも大切な仕事