突撃!!イムス探険隊

新棟オープン 377床へ増床
急性期から回復期まで切れ目のない医療と介護を提供

総合病院ならではの充実した回復期リハビリテーション

 2024年11月、イムス東京葛飾総合病院は136床増床し、9階建の既存棟に加え、6階建の新棟がオープンしました。新たに回復期リハビリテーション(以下リハビリ)病棟100床を新設。脳血管疾患、心臓・大動脈疾患、整形外科疾患等の急性期治療を終えた患者さまに、社会復帰に向けた機能回復のため治療を提供し、住み慣れた地域に安心して暮らせる、切れ目のない医療をめざします。
 総合病院のため、急性期から入院している患者さまも多く、治療経過は、回復期病棟と共有ができます。各科の医師、看護師、リハビリセラピストの連携もあり、患者さまとご家族さまも“顔見知り”な医療スタッフに継続して見守られる安心感があります。万が一、病気が再発しても、的確でスムーズな治療を行うことができます。
 心臓血管外科、血管外科、循環器内科があり、様々な心臓手術や血管内治療を実施することから「心臓リハビリ」にも注力。心肺機能増進と生活習慣病改善を図ります。
 また院内には血液浄化センターがあり、回復期病棟入院中も血液透析や腹膜透析が可能。基礎疾患に糖尿病のある方は、必要に応じ糖尿病内科が連携します

既存棟(右)に隣接した新棟(左)

一人ひとりの症状に合わせたメニューを

 今回1 0 0床の入院受け入れに備えリハビリセラピストは60名から134名に増員(理学療法士95名、作業療法士27名、言語聴覚士11名、事務職1名)。4月からはさらに新入職員39名も入職しました。
 広くなった新棟・既存棟のリハビリスペースは巧みに役割分担し、機能アップのための様々な機器を配置。ハーネスで体を吊り下げ、15mの歩行をアシストするレール走行式免荷リフトは、麻痺の重い方でも訓練可能に。心臓リハビリ用のエルゴメーターも複数台揃っています。作業療法としては自動車運転技能を確認するドライビングシミュレーターや、左右どちらかの空間を認識できなくなる高次脳機能障害のひとつである半側空間無視に対応する「アテンション」、キッチンや掃除・洗濯コーナーも充実。浴槽や手すりの位置を自宅と同じになるよう調整できる浴室での訓練は、日常の暮らしへ戻る張合いとなりそうです。

心臓リハビリで使用する自転車・エルゴメーター。医師の管理の下で心拍数を測りながら、適切な強度の有酸素運動を実施

デイルームには15mのレール走行式免荷リフトを設置。ハーネスで全体重を吊り下げて支え、歩行訓練を行う(250kgまでOK)。脚に麻痺があってもバランスよく歩ける

心肺運動負荷試験(CPX)のための機器。自転車を全力で漕ぎ、呼気の酸素・二酸化炭素濃度や心電図、心拍数をチェック。自分に適した運動量を確認する

64列マルチスライスCTも増設

16床のECU病棟を新設。急患や緊急手術後のケアに活躍

浴槽や手すりは自宅と同じ配置に移動できる

水害時に外来化学療法室は隣の処置室とともに救急センターとして司令塔になる

新棟の手術室。空調コントロールで陰圧区画が設定でき、感染症の患者さまも安全に手術が受けられる

日常生活でも安全に料理ができるように調理器具や調味料が揃ったキッチン

救急医療の充実と災害時や感染症流行時の対策

 今回の新棟開設は、救急医療と災害時などの医療体制の拡充もコンセプトのひとつです。救急は24時間365日、重症例を含む年間1万件以上の受け入れ体制を想定。救急外来や緊急手術後の患者さまを受け入れる、ECU病棟(救急入院治療室)16床を新設。血液透析も可能で、手術室やCT検査室とも、最短の動線となっています。
 また感染症流行時には6Fフロアを感染フェーズに応じて間仕切り壁をセットし、感染症室・病棟に変更できる設計になっています。ECU病棟と手術室も空調で感染者の治療ができる陰圧区域を自在に設定できます。将来パンデミックが起きても、必要な方に必要な医療を安全に提供できる予定です。
 病院一帯は海抜が低く水害時には1階の水没が懸念されるため、重要設備は2F以上に配置。新棟2Fの外来化学療法室と中央処置室が救急センターに転換します。
 その他に、災害拠点連携病院として、医薬品等を十分に備蓄。葛飾区と救急搬送業務に関する協定も締結し、要請があれば病院所有の救急車が出動することもあります。地域に根差し、地域の皆さまに愛し愛される病院を実現します

ドライビングシミュレーターで運転技能をチェック

パネル上で注意力を高める訓練機器「アテンション」

Staff Voice

医療スタッフの研修を充実させ、 ホスピタリティあふれる施設に

総務課 副主任
益子 康揮
11月にオープンした回復期リハビリ病棟100床は、2ヵ月足らずで既存の急性期病棟も含め満床となりました。地域の期待がいかに高かったかを実感しています。救急・災害対策を含め設備の拡充はあくまで基本。医療スタッフの研修やスキルアップ、各部門の連携構築、患者さまからの要望を吸い上げる部門の充実など、院内体制により一層磨きをかけるべく、邁進してまいります。

オーダーメイドのリハビリで 患者さまをきめ細かく支援

リハビリテーション科
臂 美晴
作業療法士
回復期病棟立ち上げ準備に合流し3ヵ月。専門職の知恵とIMSグループのノウハウを結集し、患者さまを迎えました。おかげでオーダーメイドのリハビリを提供でき、成果を上げつつあります。若いスタッフが多く和気あいあいとした雰囲気も好評です。入院中から退院後まで、患者さまの社会生活復帰を支援したいと思います。

イムス東京葛飾総合病院