オシゴトいろいろ

患者さまの味方となって多様な相談に応じる

経済面のこと、療養場所の選択など何でも

「社会福祉士」は、身体的、精神的な障がいや環境的な理由などのために、日常生活が困難な患者さま・利用者さまの福祉に関する相談に応じ、支援する専門職です。病院で働く社会福祉士はMSW(メディカルソーシャルワーカー)と呼ばれています。
当院の「医療福祉相談室」には社会福祉士をはじめ7人のスタッフが在籍しています。さまざまな相談が寄せられますが、もっとも多いのは経済面です。例えば、退院後の療養場所を選ぶとき、経済的な負担がどのくらいになるかは大きな問題。患者さまご本人の経済状況や障がいの状態、ご希望、ご家族さまの負担などを総合的に考えて、療養場所を提案するとともに、利用できる社会保障制度があればお伝えし、手続きのお手伝いもします。
退院後の療養場所の選び方の相談も多いです。最終的に在宅療養を希望していても、すぐには難しいという場合は介護老人保健施設(老健)、施設療養が望ましい場合は、障がいの程度などを考慮して特別養護老人ホーム(特養)やグループホームなどから最適と思われる施設を考え、ご本人・ご家族さまと話し合います。退院先が自宅の場合は、介護保険によるサービス調整を提案します。院内・院外問わず、様々な部署や職種を結びつける働きをしています。


グループ内では常に情報共有に心がける

安心して療養先を決められるように支援

私が社会福祉士を目指したきっかけは、ある病院で救急外来受付のアルバイトをしたことでした。その時に社会福祉士になろうと決意し、資格を取得しました。
最初に勤務したのは、IMSグループの老健・春日部ロイヤルケアセンター。そこでの重要な仕事は、入所希望者が現在入院している病院へ出向いて療養に関する希望を具体的に聞き、その病院と情報共有した上で、入所の可否を決める「入所判定会議」を開催し、よりよい療養環境を提供する準備を整えて迅速な入所につなげることでした。
春日部ロイヤルケアセンターに8年、草加ロイヤルケアセンターに7年勤務し、昨年新越谷病院に赴任。老健でどのようなケアが可能か熟知しているので、それを病院スタッフと共有してより有効な老健の利用につなげたいと考えています。また、患者さまが安心して次の療養先を決められるように、老健での生活やリハビリ内容をできるだけ具体的に伝えています。
IMSグループ内では質の高い情報共有ができるため、ご本人・ご家族さまの意向に沿った支援が可能。老健と病院の両方を知る社会福祉士として、その橋渡し役になりたいですね。
社会福祉士の倫理基準は、「クライエント(患者さま・利用者さま、ご家族さま)の利益を最優先に考える」です。これはつまり、最終的な味方になるということ。私に最初に仕事を教えてくれた社会福祉士はまさにこのような人で、しかもやわらかい雰囲気を持ち、知識が豊富で頼りになりました。自分もそうなるために日々勉強し、仕事に向き合っています。
各部署との調整では苦労することもありますが、それだけにご本人やご家族さまから感謝の言葉をいただいた時の喜びはひとしおです。どんな小さな困りごとも、ためらわず気軽に相談してください。

社会福祉士とは?

「社会福祉士及び介護福祉士法」で位置づけられた国家資格。登録者数は26万518人(2021年9月末時点)。資格取得ルートは、福祉系大学、短期養成施設、一般養成施設に大別される。 ※詳細は「厚生労働省 社会福祉士」で検索

新越谷病院