突撃!!イムス探険隊

ER室とMRIを刷新して脳卒中を迅速治療

ER室とMRIを1階に 移動し、動線がスムーズに!

1分1秒を争う脳卒中の治療。救急車の到着から1時間以内にさまざまな検査を完了し、超急性期の本格治療を開始することが求められます。
病院は横浜市保土ケ谷区に位置し、一次脳卒中センターとして地域へ脳卒中急性期医療を提供するとともに、回復期リハビリテーション機能を併せ持っています。
それらの機能をさらに充実させるために、2021年6月にER室(救急診察室)を2階から1階に移設した上、全面リニューアルしました。
救急車両の駐車スペースを建物左サイドに屋根付きで用意 、目の前の救急専用の出入り口から、ER室までは入ってすぐとスムーズな動線を実現しました。
新ER室は40㎡以上あり、複数の患者さまにも十分対応可能です。
同時に2階にあったMRI検査室を、ER室のすぐ隣に新設。
キヤノンメディカルシステムズ社の高性能最先端機種「Vantage Orian」1・5テスラを導入しました。
一番の特長は、AIを駆使したディープラーニング機能。ノイズを選択的にカットすることで、画像解像度が格段に向上し、「脳卒中」の診断に必要な脳血管の詳細を、末梢に至るまでクリアに描出。
さらに撮影を担当する診療放射線技師は、モニター上に重要な画像を選択して並べたり、立体的に角度をつけて病変部を鮮明な強調画像に加工したりと、多彩な処理が可能です。
おかげで、医師が必要とする画像を、短時間で的確に提供できるようになりました。
加えて患者さまが落ち着いて検査を受けられるよう、室内は木調のインテリアで統一し、天井には青空を映し出す「窓」を設定。
MRIの開口径も71㎝と広いため、検査時の圧迫感が少なく、検査音も最大99%低減した静音設計です。
また、脳血管の連続的なX線透視撮影を行うアンギオグラフィ装置も19年に新機種入れ換えを完了しており、MRIと併せ、脳卒中の詳細な検査と、最新の血管内治療を行う環境は万全です。

脳血管内治療の指導医が着任し 「脳卒中チーム」が本格始動

一方、21年12月に日本脳神経血管内治療学会・指導医である今岡充医師が脳神経外科部長として着任。
医師5名のほか、診療放射線技師、手術室看護師、臨床工学技士、臨床検査技師、薬剤師など多職種が参画する
「脳卒中チーム」が始動しました。
全員が迅速・的確な治療に向け、トレーニングを重ねる一方、MRI画像をクラウドに上げ、医師がいつ・どこにいても電子端末で病態を確認できるMIPシステムも稼働させており、24時間365日、脳卒中の患者さまの受け入れ態勢が十分整っています。
脳卒中で症例が多いのは、脳動脈に血栓が詰まる「脳梗塞」と、脳動脈にできたコブが破裂する「くも膜下出血」です。
前者の治療は、血栓を溶かす「t-PA」静注と、カテーテルで専用の器具を患部に送り込み、血栓をからめ取る、あるいは吸引して血行再建を図る血管内治療「血栓回収療法」が代表。
後者では血管内治療でコブに細いコイルを送り込む「コイル塞栓術」があります。
今岡医師はこれらの第一人者です。
横浜市の脳卒中患者さま搬送基準は、21年7月に、脳卒中が強く疑われる患者さまは、血栓回収療法が可能な医療機関へ搬送するよう通達しましたが、病院は地域の二次救急医療機関として、この要請に応えていきます。
脳卒中チームによる超急性期治療を受けた患者さまは、SCU(脳卒中ケアユニット)で集中治療と超早期のリハビリを行います。
SCUは現在6床ですが、4月には9床に増床予定です。
また、急性期の病状が安定した後、手足の麻痺や失語など後遺症のある方には、ADL改善を目指す集中的な「回復期リハビリテーション」が必要となりますが、90床の回復期リハビリ病棟が併設されているので、在宅復帰に向け最長180日の入院・加療が可能です。
その間、リハビリの一環として自宅と同じ環境で料理をすることができ、趣味の陶芸教室も楽しむことができます。
脳卒中の発症時から社会復帰まで、切れ目のない医療を提供し、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、患者さまを支援していきます。

Staff Voice

常にベストの画像で救命に貢献

放射線科 技師長 佐藤 茂美 放射線技師
受診者さまは、胃の内視鏡やCTを前にすると緊張されるもの。
笑顔でコミュニケーションをとり、時には背中に手でふれるなど、リラックスして検査に臨めるよう心がけています。
私たちに心を開いて、体調の心配事を打ち明けてくれる方もいらっしゃるので、診察を担当する医師にメモで申し送ることも大事。
今日の検査を、お一人おひとりの健康管理と早期治療につなげることがスタッフの役目です。

受診者さまがリラックスできるよう、笑顔で接します

救急外来 手術室看護師 川 佳純看護師 遠藤 舞香 看護師
脳卒中医療の最前線に立ち、緊張しつつもやりがいを感じています。
より素早く、適格な機械出しができるよう研鑽を積まなければなりません。
また、突然の発症で不安な患者さまやご家族に、病状や検査、治療の方法や経過などをわかりやすく説明するのも私たち手術室看護師の仕事。疑問を感じたら、いつでも気軽に声をかけてください。脳卒中チームは、常に相談にお応えできる態勢を整えています。

探険隊長から...

病院1階に新しく用意されたER室とMRI検査室は、清潔感あるパステルトーンで統一。
医療スタッフはいつでも脳卒中の患者さまを受け入れられるよう、トレーニングに余念がありません。
熱い使命感が伝わってきます。

イムス横浜狩場脳神経外科病院