突撃!!イムス探険隊

アイデア満載の屋外リハビリパーク「ピリカル」

最新の透析機器を揃え移転拡張・名称変更

①玉砂利

②飛び石

③半丸太

④障害板

イムス札幌内科リハビリテーション病院に、2023年7月、リハビリパーク「ピリカル」がオープンしました。ピリカルとはアイヌ語で”素敵な道”。豊かな自然環境の中、患者さまの「早期移動支援」を着実に実現する新しい発想の施設です。
“移動”とは日常生活動作(ADL)の基本となるもの。車イスから歩行器・杖・独歩への形態アップと介助歩行から自立歩行への自律度アップへ。患者さまお一人おひとりの病態と合わせ、1日でも早い回復を図ることが病院の使命です。
 歩行を目指す理学療法にはさまざまなプログラムがありますが、早期移動支援はリハビリ室での運動療法や電気・温熱刺激等の物理療法だけにとどまりません。入院生活の24時間のスケジュール内に 歩行を組み込み。さまざまなシーンで実践を重ねてこそ効果が高まります。たとえば食堂、トイレ、検査室等への移動手段を少しずつレベルアップする。売店、景色のいい窓辺などに一日1回は立ち寄ることを日課にし、自信をつける。40m程度歩行が可能になれば、歩いてピリカルに行くことが可能となるためオープンエリアのリハビリ開始です。
 病院玄関からピリカルまでは40m間隔にベンチが配置され、休みながら行くこともできます。そして、芝生に彩られたピリカルの全コースは全長730m。爽やかなブルー系に塗装された外周に、歩幅の確認や横断歩道の時間の計測が可能なスタンダードコースと数字や図形をさまざまに描いたチャレンジコースも配置され、歩きながら計算したり、ジグザグや切り返し歩行にトライしたりと、飽きさせません。
 手すりを配した内側のコースにはゴムチップ・ウッドチップ・玉砂利・飛び石・半丸太・障害板など難易度別・シーン別の路面を用意。ひと息入れるあずまやと、ミニパークゴルフ場もあって、レクリエーション施設のよう。木立やせせらぎに囲まれたコース周辺には、日常生活に近い環境で坂道や階段を配置し、社会復帰に備えています(見学・体験も可能)。
 ピリカルでのリハビリは、コンディションに応じて20~60分、セラピストが原則マンツーマンで付き添います。患者さまからは「気分がリフレッシュする」「前向きに取り組める」などの声が寄せられています。
 陽射しを浴びることで、骨粗しょう症の予防・改善に貢献。また体内リズムが整えられ、睡眠の質の向上も期待できます。


青空に映えるピリカルの案内板。
左側の土手には来春芝桜が開花予定


I字コース


M字コース

最新リハビリ機器を活用し歩行改善をアシスト

四則計算と歩行のマルチタスクで認知症予防効果も

色や図形を課題に選び、歩行ルールを設定。これも脳トレの一つ。

「早期移動支援」の中で、かねてより注目されてきた機器にリハビリ支援ロボット「ウェルウォークWW-1000」があります。脳梗塞の後遺症に多い片麻痺の方を主な対象としており、2019年に導入しました。患者さまのサイズに合わせて調節した器具を片麻痺の脚に装着。コンピュータが足裏の体重の移動を感知して、膝の屈伸などの歩行動作をアシストします。
 ハーネスの装着で、障害の重い方でもしっかり転倒を防止。正面のモニターで歩く姿勢や歩幅などがチェックでき、床面の速度も自在にコントロールが可能です。
 本年11月には「天井走行レール歩行免荷システムXY」の設置も予定。これは天井から吊り下げたハーネスで体重の負荷を軽減し、3次元の動きを自身の筋力とバランス感覚を最大限発揮しながら歩行練習を行うもの。リハビリ室の端から端まで縦横二方向、それぞれ30mと2mほどの歩行距離を確保します。
 充実したリハビリで、患者さまがよりよく、より早く移動能力を回復し、退院後はより楽しい生活を実現していただく。それがスタッフ全員の願いです。

Staff Voice

よりよく・より早く・退院後はより楽しく

リハビリテーション科 係長垣内 健佑 理学療法士
回復期リハビリ病棟は疾患によって入院期間の上限が決まっています。早期移動支援が成功すれば、その分早く着替えや入浴、さらに料理や趣味などに関わる作業療法に移行できます。与えられた条件の中で、患者様の退院後の暮らしに役立つリハビリを、お一人おひとりに合わせオーダーメイドで提供することが、当院のモットーです。

リハビリを支える楽しい時間

リハビリテーション科
水木 裕介 理学療法士
移動支援系を通して、さまざまなリハビリテーション機器やピリカルを使用しながら、早期移動支援をしていきます。入院患者さまは、脳卒中や骨折などに突然見舞われショックを受けておられますから、気持ちを受け止め前向きにリハビリに向かえるようメンタル面で支援することも大切だと思います。退院後の生活の楽しみが実現できるように関わっていきたいと思います。

地域の方々に喜んでもらえる施設に

総務課 主任
上手 智広
広大な敷地を生かしたリハビリパークは、IMSグループ初の試み。豊かな自然環境には五感に訴えるパワーがあり、患者さまの潜在能力を引き出す効果的なリハビリを実現できると期待しています。9月に開いたイベントでは、近隣の方々が当パークに興味と共感を持ってくださいました。今後もリハビリや健康に関する情報を発信し、地域に開かれた施設として貢献します。

イムス札幌内科リハビリテーション病院