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脳神経外科

髄膜腫

髄膜腫は、下垂体腺腫と並び原発性脳腫瘍の中で最も頻度の高い腫瘍です。無症状の方でも人間ドック/脳ドックで発見されることも多くあります。
髄膜腫は脳を包んでいる膜から発生する良性の腫瘍です。
ゆっくりと大きくなってくることがあり、脳や血管の圧迫により半身まひやてんかん、認知症などの症状を呈することもあります。

良性腫瘍ですが、一部は悪性腫瘍に準じるものもあり注意が必要です。

〈左〉左蝶形骨縁髄膜腫 / 〈右〉蝶形骨平面髄膜腫

治療方針について

経過観察

症状を呈している大きな腫瘍以外は基本的に経過観察が中心となります。半年から1年ごとに画像検査を行います。
初期に腫瘍サイズが多少大きくなっても4~5年で成長が止まることが多いと報告されています。症状がない場合は、そのまま経過観察を行うことも選択肢です。
増大の程度、症状の出現により放射線治療や手術の検討を行います。

定位放射線治療

腫瘍にのみ集約的に放射線照射を行う治療です。以前は脳全体に放射線照射を行っていたので照射後の脳障害の合併症がありました。

開頭腫瘍摘出術

半身まひや意識障害、コントロール不能のてんかん発作などがある場合、開頭腫瘍摘出術を検討します。
手術の難易度にかかわる因子としては、腫瘍の部位、大きさ、硬さ、脳実質との癒着、神経や血管との関係などがあります。
良性腫瘍で、全摘出すれば完治が期待できるため基本的には腫瘍をすべて取りきることを目標にします。ただし、合併症のリスクを考慮し戦略的に一部腫瘍を残すこともあります。
全摘出できなかった場合は、経過観察を行います。病理診断の結果悪性の傾向であったり、腫瘍が増大する場合は早期に定位放射線治療を行うことも検討します。

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